絵本のお・は・な・し「はじめてのおつかい」お話しは、こう始まります。『あるひ、ままがいいました。「みいちゃん、ひとりでおつかいできるかしら」「ひとりで!」みいちゃんは、とびあがりました。いままで、ひとりで でかけたことなんかいちどもなかったのです。「あかちゃんの ぎゅうにゅうがほしいんだけど、ままちょっといそがしいの。ひとりでかってこられる?」「うん!みいちゃん、もういつつだもん」みいちゃんは、ままと ふたつやくそくをしました。くるまにきをつけること、おつりをわすれないこと。みいちゃんは、ままにひゃくえんだまをふたつ もらって、てにしっかりにぎりしめ、うちをでました。』 さあ初めての、みいちゃんのおつかいです。お店屋さんに着くまで、転んだりしてはらはらどきどき、お店に着いたら着いたで誰もいない。それからのみいちゃんが大きな声で「ぎゅうにゅうください」といえるまでの心の葛藤が始まります。無事おつかいをすませてお母さんの元へ帰っていく過程にいろんな場面で子ども達もみいちゃんの気持ちになって入り込んでしまう、わくわくする楽しいお話しです。しかしこの絵本にはもうひとつの魅力があるのです。この絵本は子どもが絵を読めるというお話しなのです。初めの1ページにはママがどれくらい忙しいのかということを絵で表してあります。そういった様子を子ども達は聞きながら絵を読んでいるのです。みいちゃんの緊張している様子を歩き方に右手と右足が一緒に出ていたり、みいちゃんの心境をネコが物語っていたり、まず大人が気付かない絵を子ども達がヒントを教えてくれます 文字の読めない年齢は、とくに絵を良く見ます。良い挿し絵の絵本を選ぶことが大切なんだそうです <福音館書店>
