絵本のお・は・な・し 【赤いカヌーにのって】
表紙には、うねりながら流れる小川に浮かぶ赤いカヌーにのった子ども達や、中洲で調理をしている子ども達、草むらにいるウサギやカメなどが、細やかな筆使いで描かれています。最初のページに、“カヌーうります”という、はり紙のある赤いカヌーに見入る子どもの後ろ姿から物語が始まります。 「学校帰りに赤いカヌーがうりにだされているのをみつけたのはあたし。かあさんと、ロージーおばさんと、いとこのサムとあたしでお金をだしあって、赤いカヌーをかったんだよ。」4人で三日間の旅に出ることになりました。カヌーをつんだ車でキャンプ地に着くと、そこから川くだりがはじまります。両岸は木が茂っていてジャングルのようになっている緑のトンネルの中を抜けたり、小さな滝に近づくとロープでカヌーを下におろしたり・・・宿泊の場所に着くとテントをはり、料理を作ります。雨に降られたり、魚を釣ったり、ヘラジカの親子に出会ったり、カヌーがかたむいてサムが川の中に落ちたり、さまざまな出来事が次々におこります。テキストの文章が絵本としてはやや多いのですが、さまざまな出来事を絵が楽しく、そして充分に語っているので、読んでおやりになれば楽しまれるお子さんも多いと思います。
<あすなろ書房>
