絵本のお・は・な・し
【おへやのなかのおとのほん】

「おへやのなかのおとのほん」の明快で清潔感のある美しい表紙は、強い印象を与えます。
このお話しの主人公は、子犬のマフィンで、それは次のように始まります。 こいぬのマフィンは、かぜをひきました。きょうは、そとにはでられません。いちにちじゅう おうちのなかで、ちいさなねどこに ねかされることになりました。 そのページには、心配そうにマフィンを見ている飼い主の家族の姿が描かれていて、次のページには、マフィンにはなにができたでしょう。ねどこのうえで からだをまるめ、りょうめをとじて、じっとみみをそばだてていました。こんなぐあい とあり、具合が悪くてまるくなり目を閉じている子犬が描かれています。これは、子ども達みんなが経験したことだと思います。目をつぶっているマフィンには家の中のいろいろな音が聞こえてきます。ほうきで床をはく音、テーブルのスプーンを片付けている音、電話、掃除機、卵をかき混ぜる、お風呂に湯をためる・・・。これを読んでいるといつも聞き流している日常の暮らしの中での音が耳に浮かんできます。その次のページには、 それからマフィンは、はりがいっぽん、ゆかにおちるおとも ききま した。これきこえたと思う?とありますが「それ、きこえたとおもう?」という問いかけに子ども達は何と答えるでしょうか?次々にさまざまな音が出てくるこの絵本は、マフィンを通して楽しい音の世界を表しています。

                                  <ほるぷ出版>
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【 2007/03/12 13:40 】

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絵本のお・は・な・し    
【金のがちょうのほん】
 この絵本には、「金のがちょう」・「三びきのくま」・「三びきのこぶた」・「親ゆびのトム」四つの子ども達がよく知っているむかし話がのっています。「金のがちょう」のお話はつぎのように始まります。むかしある人に、三人息子がありました。末の息子は、ぬけ作と呼ばれていつも、みんなに、ばかにされるばかりで相手にされませんでした。 ある日のこと、一番上の息子が森へ木を切りに行くと言い出しました。そこでお母さんはお腹のたしにと上等のケーキとぶどう酒を一瓶持たせてやりました。さて、息子が森にやってくると、年とった小人に会いました。小人は挨拶をして、こう言いました。「はらは ペコペコ、のどは カラカラ。その こしの ふくろの ケーキを ほんの ひと切れと、ぶどう酒をひと口、分けておくれ」 いかにもむかし話らしい無駄のない語り口です。それを断った上の息子は木を切っているうちに腕をけがしてしまい、二番目の息子も同じように足を切ってしまいます。そこでぬけ作の番になるのですが・・・。多くの人が知っているこのお話もレズリー・ブルックの挿し絵を見ながら楽しむと、また違った味わいが感じられます。きちっとしたお話と絵の絵本です。
                         

<福音館書店>


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【 2007/02/09 13:50 】

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絵本
絵本のお・は・な・し
【ずるいねこのおはなし】 
「ずるいねこのおはなし」は、「ピーターラビットのおはなし」シリーズの一冊です。大人の手のひらに収まるほどの大きさの本で、どれも見開きの左のページにはお話が、右のページには絵がのっています。 このお話しは次のように始まります。 
○ずるい としよりの ねこがいて、ねずみを おちゃに よびました。○ねずみは じょうとうのふくをきて、おかってぐちへ おりてきます。おちゃは だいどころで、よばれることになっていました。○「ごきげんいかが ねずみさん。どうぞ このいすに おかけください」とねこは、いいました。○「まず わたしが パンとバターをいただきますわ」とねこは いいました。「そのあとで、ねずみさん、あなたは のこったパンのかけらを あがってくださいね」○「これは おきゃくにたいして しつれいなやりかただ」とねずみはこころのなかでおもいました。
こういって話のやりとりをしていくうちに、ねずみは、"この猫は、ぼくを食べるつもりだな"と気付き、来なけりゃよかったと後悔します。猫はその時、ミルクつぼを逆さにしてミルクを一滴も残さずなめようとしています。その時ねずみは机の上に飛び乗ってドンとつぼをつくので、つぼはするりと猫の頭にかぶさってしまいます。その間ねずみは、たっぷりとお茶をいただいて家へ帰って行きます。登場人物は二匹です。お話しも明快で、幼いお子様も充分楽しめるでしょう。小型の絵本なのでお子様をひざにのせて読んでおやりになるのもいいかと思います。
  

                     <福音書店>
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【 2007/01/16 14:32 】

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絵本
絵本のお・は・な・し
「はじめてのおつかい」
お話しは、こう始まります。『あるひ、ままがいいました。「みいちゃん、ひとりでおつかいできるかしら」「ひとりで!」みいちゃんは、とびあがりました。いままで、ひとりで でかけたことなんかいちどもなかったのです。「あかちゃんの ぎゅうにゅうがほしいんだけど、ままちょっといそがしいの。ひとりでかってこられる?」「うん!みいちゃん、もういつつだもん」みいちゃんは、ままと ふたつやくそくをしました。くるまにきをつけること、おつりをわすれないこと。みいちゃんは、ままにひゃくえんだまをふたつ もらって、てにしっかりにぎりしめ、うちをでました。』   さあ初めての、みいちゃんのおつかいです。お店屋さんに着くまで、転んだりしてはらはらどきどき、お店に着いたら着いたで誰もいない。それからのみいちゃんが大きな声で「ぎゅうにゅうください」といえるまでの心の葛藤が始まります。無事おつかいをすませてお母さんの元へ帰っていく過程にいろんな場面で子ども達もみいちゃんの気持ちになって入り込んでしまう、わくわくする楽しいお話しです。しかしこの絵本にはもうひとつの魅力があるのです。この絵本は子どもが絵を読めるというお話しなのです。初めの1ページにはママがどれくらい忙しいのかということを絵で表してあります。そういった様子を子ども達は聞きながら絵を読んでいるのです。みいちゃんの緊張している様子を歩き方に右手と右足が一緒に出ていたり、みいちゃんの心境をネコが物語っていたり、まず大人が気付かない絵を子ども達がヒントを教えてくれます  文字の読めない年齢は、とくに絵を良く見ます。良い挿し絵の絵本を選ぶことが大切なんだそうです                                     <福音館書店>



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【 2006/12/04 12:27 】

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絵本
 絵本のお・は・な・し              

【赤いカヌーにのって】
 表紙には、うねりながら流れる小川に浮かぶ赤いカヌーにのった子ども達や、中洲で調理をしている子ども達、草むらにいるウサギやカメなどが、細やかな筆使いで描かれています。最初のページに、“カヌーうります”という、はり紙のある赤いカヌーに見入る子どもの後ろ姿から物語が始まります。  「学校帰りに赤いカヌーがうりにだされているのをみつけたのはあたし。かあさんと、ロージーおばさんと、いとこのサムとあたしでお金をだしあって、赤いカヌーをかったんだよ。」4人で三日間の旅に出ることになりました。カヌーをつんだ車でキャンプ地に着くと、そこから川くだりがはじまります。両岸は木が茂っていてジャングルのようになっている緑のトンネルの中を抜けたり、小さな滝に近づくとロープでカヌーを下におろしたり・・・宿泊の場所に着くとテントをはり、料理を作ります。雨に降られたり、魚を釣ったり、ヘラジカの親子に出会ったり、カヌーがかたむいてサムが川の中に落ちたり、さまざまな出来事が次々におこります。テキストの文章が絵本としてはやや多いのですが、さまざまな出来事を絵が楽しく、そして充分に語っているので、読んでおやりになれば楽しまれるお子さんも多いと思います。
              

                    <あすなろ書房>
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【 2006/11/11 17:56 】

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