えほんのお話し
【おいしそうなバレエ】
表紙には、ステージでバレエを演じている二ひきのブタを、ボックス席の手すりにつめをかけ、舌なめずりしながら怖い顔で見おろしている、オオカミが描かれています。お話しは次のように始まります。 ある冬の昼さがり、やせっぽちのさえないオオカミが、知らない通りにまよいこみました。「おや、道をまちがえたな。まあ、しかし、あたらしい場所を探検して、見聞きをひろめるのも、だいじかもしれん。うまそうなものが、見つかるかもわからんしな」・・・オオカミは、そこで出会った二ひきのリスに、くたばりそうなおいぼれ犬とばかにされ、ぶつぶつ言いながら歩いていくと、おいしそうなに匂いが漂ってきます。通りの向こうに劇場があり、何とそこの看板に「白ブタのみずうみ」と大きく書いてあったのです。看板には、おいしそうなブタの舞台写真が何枚もはってあり、オオカミは、「こりゃたまらん。なんとも うまそうだわい」とよだれをたらします。しかし、舞台に登場したブタを、どれから食おうかと考えているうちに舞台に引き込まれていき、自ら舞台に立ち、踊り始めるのです。芸術には無縁のオオカミが、それに出会って大きく心を動かされていく・・・まるで一人の人間の生き方のように描かれている絵本です。
                      <徳間書店刊>
20061002133648.jpg

【 2006/10/02 13:37 】

絵本のコーナー | コメント(0) | トラックバック(0) |
絵本のおはなし
【おつきさまこんばんは】
群青色の空に、大きなまん丸お月さまがひとつ。静かに目を閉じて、子ども達に表紙をめくってもらうのをまるで待っているかのようです。 
子ども達が大好きな月を題材にした絵本といえば、オルセンの『つきのぼうや』、カールの『パパ、お月さまとって』、マーガレット・W・ブラウンとハードの『おやすみなさいおつきさま』やアッシュの『ぼく、お月さまとはなしたよ』など楽しい絵本がいくつもありますが、この絵本はお月さまの一人舞台。読者となる子どもの、絵本のなかのお月さまに向けられた気持ちが、そのまま短い言葉で表されお話しの流れを作っています。表紙から最後のページまで、ゆっくりとめくりながら書かれている言葉をそのまま読んでみて下さい。
屋根から登るお月さまの登場に目を見開き、月を隠す雲に眉をひそめ、最後に笑ったお月さまを見て心がホットする子ども達の表情に出会えることと思います。この絵本は、幼い読者のことを考えて丹精込めて世に送り出されているのだそうです。ページをめくる喜びを最初に味わう絵本としてもおすすめです。
    
 <福音館書店>  1歳~

20060905105258.jpg

20060905105335.jpg

【 2006/09/05 10:34 】

絵本のコーナー | コメント(0) | トラックバック(0) |
絵本のお話し
【ずるいねこのはなし】
「ずるいねこのおはなし」は、「ピーターラビットのおはなし」シリーズの一冊です。大人の手のひらに収まるほどの大きさの本で、どれも見開きの左のページにはお話が、右のページには絵がのっています。 このお話しは次のように始まります。 
○ずるい としよりの ねこがいて、ねずみを おちゃに よびました。○ねずみは じょうとうのふくをきて、おかってぐちへ おりてきます。おちゃは だいどころで、よばれることになっていました。○「ごきげんいかが ねずみさん。どうぞ このいすに おかけください」とねこは、いいました。○「まず わたしが パンとバターをいただきますわ」とねこは いいました。「そのあとで、ねずみさん、あなたは のこったパンのかけらを あがってくださいね」○「これは おきゃくにたいして しつれいなやりかただ」とねずみはこころのなかでおもいました。
こういって話のやりとりをしていくうちに、ねずみは、"この猫は、ぼくを食べるつもりだな"と気付き、来なけりゃよかったと後悔します。猫はその時、ミルクつぼを逆さにしてミルクを一滴も残さずなめようとしています。その時ねずみは机の上に飛び乗ってドンとつぼをつくので、つぼはするりと猫の頭にかぶさってしまいます。その間ねずみは、たっぷりとお茶をいただいて家へ帰って行きます。登場人物は二匹です。お話しも明快で、幼いお子様も充分楽しめるでしょう。小型の絵本なのでお子様をひざにのせて読んでおやりになるのもいいかと思います。
<福音書店>

20060810163747.jpg

【 2006/08/10 16:43 】

絵本のコーナー | コメント(0) | トラックバック(0) |
絵本のお話し
絵本のお話し【まりーちゃんとひつじ】
お話しは次のように始まります。
まりーちゃんが きのしたに座っています。まりーちゃんは ひつじのぽたぽんにいいました。「ぽたぽん、おまえはいつか子どもをうむでしょう。そしたらわたしたち、その毛をうって、すきなものがなんでもかえるわね、ぽたぽん」ぽたぽんはこたえます。「ええ、子どもが一ぴきできるでしょう。そしたらわたしたち、みどりのはらっぱにすむでしょう。はらっぱには、ひなぎくのはながきれいきれい、おひさまがいちんちきらきら。わたしたち、ふわふわの毛をたくさんつくってあげますよ。まりーちゃん」 三びきうんだら、四ひきうんだら・・・もっと沢山生まれたらと、まりーちゃんの夢は広がりますが、ぽたぽんはそれをやさしく受け止めて、ひな菊の花やきらきら輝くお日様があれば何もいらないと言います。そしてぽたぽんが生んだのは、まりーちゃんの靴下を編む毛糸しかとれない、小さな一ぴきのこひつじでした。でもまりーちゃんもぽたぽんも幸せだったのです。  声に出して読んでみると、ことばのひびきが心地よく聞こえます。そしてまりーちゃんとこひつじの心のつながりが感じとれます。文のくり返しの楽しさも味わえる絵本です。


20060711170806.jpg
<岩波書店> 3才~
【 2006/07/11 17:10 】

絵本のコーナー | コメント(0) | トラックバック(0) |
絵本のお話し
「バーニングガムの小さいえほん」(全八冊) シリーズの中から生き物を題材にした二冊【いぬ】【うさぎ】です。
このシリーズは二十数年も前から子ども達に読み継がれ親しまれている
絵本だそうです。
この絵本は、縦が十六センチ余りの正方形に近い形をしており、
見開きの左には文、右には絵が描かれています。
【いぬ】ではこのような話です。
『ぼくんじゃないけど このいぬは ともだち きょういちんち ぼくがせわを してあげるの ねこのごはんをたべて ぼくをなめて おとうさんのくつを くわえて にわへ かけだした はなに おしっこ ひっかけた にわにあなも ほっちゃった しょうがないから ひもにつないだけど ずっと いっしょにいたいなあ』ただこれだけです。
単純ですが、犬の行動やぼくと犬との関わりが無駄なく書かれていて、
それがのびやかで動きのある、そしてユーモラスな絵と溶け合ってとても楽しい絵本です。
(2歳~)<冨山房刊>


20060602163405.jpg



20060602163309.jpg

【 2006/06/02 16:39 】

絵本のコーナー | コメント(0) | トラックバック(0) |
前ページ | ホーム |